toi designs とわでざいん

とわでざいんインタビュー #01

#インタビュー #toidesigns

2017.07.30 UPDATE

とわでざいんインタビュー #01

ー〈とわでざいん〉という〈なまえ〉について

フランス語を習っていたときがあって、一番はじめに「あなた」がフランス語で「toi」(とわ)だって教えてもらったんです。日本語の「永遠」という言葉に「あなた」の意味があるってわかった瞬間、いつか自分たちのブランドを立ち上げたときのブランド名にしたいって思ったんですよね。そもそも、ブランドを立ち上げる前から自分たちでずっと作ってきた服も、暮らしの中で手にした服とか、雑貨も全部、何を買うにも「ずっと使えるもの」というのを意識していたので、「永遠」に着れる服を提案したいって思ったんです。「あなたが、永遠にずっと着れる衣服をデザインする」という意味を持つ「toi」という名前。

ただ、実際は、布なので劣化してしまうので「永遠」に着れるということはないんですけど、でも、誰かのお気に入りというか、ずっと着ていたいっていう想いは「とわ」に続くと思うんです。「破れてしまったけれど、直してまた着よう」とか、そういう気持ち。捨てよう、とか、新しく買おう、とかじゃあなくて、そういう想いを抱ける服を作りたいってずーっと考えてて。その大切にしたいという想いが、とわでざいんの衣服を通じて、服だけじゃなく、食や文化や家族に対して向いたら、きっとわたしたちの暮らしも「とわ」に続くだろうなと。




ー 羽織り・はかま 〈とわでざいん〉のかたちについて

洋服を作っていると、どうしても端切れが出てしまうんですよね。体のラインに合わせるために四角い布を曲線で断裁しなくてはいけないから、たくさんの「ごみ」が出てしまう。しかもめちゃくちゃ出る。端切れをアクセサリーにして売ったりしてみたけど、それでも出るし。それでいちど洋服を作るのが嫌になってしまったことがあったくらい。古着を着ればいいじゃん、って思った時もあったし、でもわたしたちは服を作ることくらいしかできなかった。

だから、美しい服を作るために、大量のごみを出し続ける。それはもともとは糸であり植物なので、捨てるのは違う。おいしい部分だけ食べて、あとは捨てる、みたいなやりかたに罪悪感があって、これは「とわ」に続けていくやりかたではないなって思って、で、ふたりで「どうにかしたい」「どうしよう」って話してるうちに「端切れがでないデザイン」はないか、となって、今となってはとわでざいんの定番になってる「HAORI」と「PAKAMA」に行き着きました。

最初は「貫頭衣」っていう、首を通すところだけカットした服にプリントをして売ったりしていたんだけれど、だんだん折り紙の要領で四角い紙で型を作るようになって、羊飼いのローブみたいなのを作ったりして、あとは直感でいつのまにか羽織りと袴(はかま)を作ってました(笑)

日本の伝統の羽織りや、野良着でも用いられてた袴は、四角い布の組み合わせでできるから、無駄がない。つまりごみがでない。もったいなくない服作りが日本の文化の中にあったっていうのに気づいたんです。それを、いまのひとたちでも気軽に普段着として着れるようにするにはどうしたらいいかっていう作り方になっていきました。

でも、作ってるうちに、わたしたちの服を着てもらいたいという気持ちよりも、だんだん「無駄をなくしたい」とか、 「無駄を生み出さない選択をしてほしい」とかって思うようになって、それってつまりどんな服でも、どんなものでも大切に使って欲しいというメッセージであって、要するに、着てもらいたいというより、伝えたいんだなって思うようになってきました。そうなると、服を作らなくても伝えられるっていうのが、 ゴールのような気もするんだけれど、たぶん服をつくるために生まれてきてる。服づくり以外の作業がつづかないような遺伝子になってるんですよね(笑)




ー とわでざいんの「いろ」について

去年、自然の世界の色で「黒」を表現することはできないか?というのをずっと考えていた(黒は自然界に存在しない色だと思って避けていた)時期があって、その時にたまたまひとの紹介で、岐阜県の染色職人さんに出会って、その方は普段「柿渋」で、味わいのある「茶色」を染めていらっしゃったんですけど、染めの工程を変えて何度も染色すれば、「黒」が出せるかもしれない、と提案してくださって、それで、ぜひお願いします、ということでやっていただいたんです。それで染め上がった「黒」は、化学的な染料では表現できない、深く、どっしりと落ち着いた美しい黒でした。自然のそのままの風合いで生地になじんでいる柿渋染めの「黒」を見て、興奮しました。柿渋に、職人さんの手が何度も何度もくわわることで、黒になっていく、という行程が、黒の美しさを惹き立たせてるんだと、見てすぐにわかりました。

それと、去年からとわでざいんで「べんがら」染めもはじめたんですが、それまで赤の染色は「茜」で、土で染めるなら 「泥染め」と思っていたので、「べんがら」での染色は衝撃的でした。岡山の吹屋という町に赤土で染める染色があることや、町全体がその色をしているっていうのを友人に聞いて、 「見に行く!」って決めてそのまま現地に行ったんですよね。吹屋を拠点に染色の活動をしているたくさんの方達に会って、 いろいろ見させてもらって、わたしたちがいままで知らなかっただけで、日本は素晴らしいものが本当にたくさんある。 そこでしか採れない赤土があったり、その土地にしかない素晴らしい染色があることを知りました。同時に、その文化を残していくこともなかなか難しいという現実も目の当たりにして、手しごとがこのまま縮小していってしまう危機感も感じました。そんな時は「とわでざいんの出番!」みたいな気持ちになって「この素敵な染色はとわが衣服にのせて世界発信します!」って、大口たたきたくなるんですよね。いつもそう。でも本気なんです。




だから、こういう「色」を出したいという欲ではなくて、まっすぐに染色に取り組んでいる「職人」に自然と出会って、 そのひとの色で、とわでざいんの服を染めたいって思うようになってきたんです。岐阜や岡山の吹屋みたいに、地域に 根付いた職人さんたちに出会うと、それが次のテーマになっていくような。もしかしたら、そういう日本の染色の文化って、この先、ファストファッションや、海外のブランドの影響でどんどん衰退していってしまうかもしれないし、「助けたい」というのは違うけれど、頼みたい。どちらかというと、助けて欲しいという感じで、とにかく頼みたい。職人さんが染料の生産や、染めをひとつひとつ手をかけることで、値段が 少しあがってしまうかもしれないけれど、それでも、 その色で染めたいし、それを選んでもらうことによって、 その文化がずっと続くのであれば、頼みたいんです。「余計なお世話だ!」って言われるかもしれないし衰退していないかもしれないけれど、わたしたちは、それを選びたい。




ー〈とわでざいん〉がつたえたいこと

矛盾するかもしれないけれど、見た目じゃないってところですかね、服を選ぶ基準の話で言えば。いろいろなひとがいるし、いろいろな生き方がある。いろいろな服もあるし、いろいろなスタイルもある。いい素材の、いい服である必要はない。ただ、知っているか知らないかは大違いで、知っていれば「選ぶ」ことができる。ごみを生み出さない服のかたちを選べるし、環境を破壊しない素材も選べる。職人のひとたちの文化を守る服や食べ物が選べる。それをわたしたちが知ってる限りで、伝えたい。そして、選んでもらいたい。選べること、選ぶことを楽しんでもらえたらいいなあと思います。

わたしたちも10代のころは、そういう選択肢に気づけていなくて、いろいろなことがわからなかったから大量に出た端切れを捨てていたし、食べたいものを食べてたし。でも、森岡尚子さんというアフリカに通って写真を撮って、いま自然農をやられてる方の本に、「1枚のティシューから木々や森を 想像できますか?」って書いてあって、それで「うわぁ!やばい!」って感動して、それがきっかけで、生地も、食料みたいに生産者がいて、そのひとが手塩にかけている畑があって、手で紡いで糸にしているひとがいて、それを編んで布にしているひとがいる、っていうのが想像できたんですよね。それから、服も食べ物も、生産者の存在を知った上で買い物をしたいって思うようになって。もちろん服を作ることも。で、音楽が好きだから、FUJI ROCK FESTIVAL のボランティアをしに行ったんですよ。そこでもやっぱり、たくさんごみが出るんだけど、リデュース・リユース・リサイクルっていう感覚があったし、そこで出会った服屋さんのオーガニックに対する姿勢にも感動して。音楽や服を通じてでも、そういうことって気づけるんだ、選べるんだってわかったんですよね。

いま思えば、「1枚のティシューから木々や森を想像できますか?」という一文が、すべてに繋がってます。

ー〈とわでざいん〉の今後

今後のことを考えたことはあまりないですね。あったとしても、現実的な話。製作のスケジュールとか、納品とか(笑)

もちろんわたしたちの服がたくさん売れて、伝えたい想いと一緒に有名になって、海外とかにも日本の衣服の文化として伝わって、生産者のひとたちや職人のかたたちの仕事がずっと続けばいいなあとかは思いますけど、結局は「みんな自分たちで服を作って、好きな色に染めたらいいのに!」って思うんです。その時は、わたしたちは服の直し方を教えにいくし、その色にしたいなら、このひとに頼むといいよっていうことも伝えられる。100着の服が売れるよりも、100件のお直しワークショップをやりたい。そしてそのひとが、また誰かに直し方を教えたり、自分たちで染めたり、そういうことをするような世界になったら、わたしたちの仕事はなくなるけれど、でも、たぶんそんな世界ならだいじょうぶ。まわれる。その時はわたしたちにしか作れない、わたしたちの服を作る。

あとは、世代を超えて長く着られて、直されて、それでも愛されている服が、とわでざいんの作った服だったらいいなあって思います。

とわでざいんのものがたり

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